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IT導入補助金を徹底解説!通常枠とデジタル化基盤導入枠は両方応募できる?
IT導入補助金は代表的な補助金の一つであり、うまく活用することで企業は効率的な資金調達を実現できます。ただし、IT導入補助金には複数の申請枠が存在するため、それぞれの違いを正しく理解することが大切です。
本記事では、IT導入補助金の基礎知識や通常枠とデジタル化基盤導入枠の概要、両方の申請枠に応募することは可能なのか?といった内容についてご説明します。補助金の活用を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
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IT導入補助金とは?
まずは、IT導入補助金の基礎知識についてご説明します。
概要
IT導入補助金は、企業や団体が情報技術( IT )を導入・活用する際に、その費用を一部支援する補助金制度です。特定の目的・条件を満たす IT 投資に対して、政府や地方自治体が補助金を提供することで導入コストを軽減し、 IT の導入促進を図ることを目的としています。
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者を対象とした補助金制度となっていますが、補助金の支給条件となる事業内容や対象者、補助金額などは地域・政策によって異なる場合があります。そのため、申請前に内容を細かくチェックしておくことが大切です。
なお、中小企業にオススメなその他の補助金については以下の記事でご紹介しています。
補助対象者
以下、IT導入補助金の補助対象者一覧です。
中小企業の場合
小規模事業者の場合
※引用:IT導入補助金公式 HP 「事業概要」
このように、IT導入補助金は様々な業種を対象としており、業種ごとに資本金や従業員数などの条件が細かく定められています。
申請枠
IT導入補助金には複数の「申請枠」が設けられており、
・通常枠
・セキュリティ対策推進枠
・デジタル化基盤導入枠
など、目的や用途に応じて利用できる様々な申請枠が存在します。そのため、自社に適した申請枠を慎重に検討することが重要なポイントになります。
なお、通常枠とデジタル化基盤導入枠については、記事の後半で詳しくご説明します。
補助金額・補助率
IT導入補助金では、最大 450 万円(費用の 2 分の 1 )の補助金を受け取ることができます。ただし、IT導入補助金には複数の申請枠や類型が存在し、どの申請枠・類型を選択するのか?によって補助金額は異なります。
※引用:IT導入補助金公式 HP 「事業概要」
このように、同じ申請枠を選択した場合でも、類型によって補助金額が異なるケースも存在します。それぞれの違いを理解して、内容を混同しないように注意してください。
補助対象経費
IT導入補助金は幅広い用途に利用することができ、
・ソフトウェア購入費
・クラウド利用料
・導入関連費
などに補助金を充当することが可能です。なお、デジタル化基盤導入枠では PC やタブレット、プリンターなどのハードウェア購入費も補助金の対象経費として認められます。
IT導入補助金の「通常枠」と「デジタル化基盤導入枠」
前述した通り、IT導入補助金には様々な申請枠が存在します。本章では、通常枠とデジタル化基盤導入枠の 2 つの申請枠について、さらに深掘りしてご説明します。
通常枠
通常枠は、ITツールの導入を政府や地方自治体がサポートすることで、中小企業・小規模事業者の業務効率化や生産性向上を実現することを目的としており、IT導入補助金の中では最も一般的な申請枠となっています。そして、IT導入補助金の通常枠は A と B の 2 つの類型に分けられており、それぞれ補助金額や要件が異なります。
類型 A の補助金額は「下限 30 万円 〜 上限 150 万円」であるのに対して、類型 B は「下限 150 万円 〜 上限 450 万円」となっています。そのため、類型 A よりも類型 B の方がより大きな金額の補助金を受け取れる可能性があります。
ただし、類型 B には、通常の申請要件に加えて追加要件が定められており、
・事業計画期間において、給与支給総額を年率平均 1.5% 以上増加すること
・事業計画期間において、事業場内最低賃金を地域別最低賃金 +30 円以上に設定すること
・賃上げをすることについて従業員に表明すること
などの賃上げ要件を満たす必要があります。もし、自社がこれらの条件に該当する場合は、通常枠の類型 B を検討すると良いでしょう。
デジタル化基盤導入枠
デジタル化基盤導入枠は、企業のデジタル化基盤導入をサポートするための申請枠であり、通常枠と同じように「デジタル化基盤導入類型」と「複数社連携 IT 導入類型」の 2 つの類型に分けられています。
デジタル化基盤導入枠の大きな特徴としては、ハードウェアの購入費用が対象経費として認められている点が挙げられます。通常枠ではソフトウェアの導入が主な対象経費となっていますが、デジタル化基盤導入枠では PC やタブレットなどのハードウェアを補助金で購入することができます。
通常枠とデジタル化基盤導入枠の申請要件の違いとしては、デジタル化基盤導入枠では「生産性向上に係る情報については求めない」と定められている点が挙げられます。
また、その他にも導入する IT ツールは会計・受発注・決済・ EC 機能を持つものを必ず 1 種類以上導入する必要があったり、ハードウェア導入時は、そのハードウェアがソフトウェアの使用に資するものでなければいけなかったりなど、デジタル化基盤導入枠の独自要件が設定されています。
ただし、大枠の申請要件は通常枠と変わらず、デジタル化基盤導入枠の独自要件はそこまでハードルが高い内容ではないため、ソフトウェアとハードウェアをまとめて導入したい場合は、デジタル化基盤導入枠の利用を検討すると良いでしょう。
なお、複数社連携 IT 導入類型に関しては、 10 社以上が連携して申請を行う必要があるため、この点には注意が必要です。デジタル化基盤導入枠の 2 つの類型は単独で申請するか否かの違いだけなので、自社のみで補助金を申請する場合は通常のデジタル化基盤導入類型を選択すれば問題ありません。
両方の申請枠に応募することは可能?
最後に、通常枠とデジタル化基盤導入枠の両方の申請枠に応募することは可能か?という点についてご説明します。
結論としては、 IT導入補助金は通常枠とデジタル化基盤導入枠の両方に同時に申請することができます。ただし、申請自体は可能ですが、申請が受理されるか否かは別問題であるため、それぞれの申請要件を確認した上で、念入りに事前準備を行うことが重要です。
IT導入補助金は最大 450 万円の資金援助を受けられるため、経済的に困窮している中小企業や小規模事業者にとっては非常に魅力的な制度です。まずは自社が支給要件を満たしているか?を確認し、該当している場合は積極的にIT導入補助金の活用を検討してください。
まとめ
本記事では、IT導入補助金の基礎知識や通常枠とデジタル化基盤導入枠の概要、両方の申請枠に応募することは可能なのか?といった内容についてご説明しました。
IT導入補助金はとても魅力的な制度であり、うまく活用することで効率的に資金調達を行うことができます。この記事を読み返して、重要なポイントを理解しておきましょう。
なお、IT導入補助金には通常枠やデジタル化基盤導入枠といった申請枠が存在し、それぞれ要件や補助金額などが異なります。どの申請枠にすれば良いのか迷ってしまう場合には、複数の申請枠に両方応募することも可能です。
ただし、申請できたとしても実際に補助金を受け取れるか否かは別問題です。各申請枠の特徴を正しく把握し、事前準備を入念に行なった上で最適な申請枠を選択することが大切です。
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大谷聡税理士事務所の代表を務めている大谷聡は、
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