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事業承継・引継ぎ補助金とは?概要や類型、申請時の注意点まで徹底解説!
補助金は代表的な資金調達の手法であり、世の中には様々な種類の補助金が存在します。事業承継・引継ぎ補助金もその一つであり、経済的に困窮している企業の心強い味方となっています。
本記事では、事業承継・引継ぎ補助金の概要や類型、申請時の注意点などを一挙にご説明します。補助金の活用を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
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補助金の基礎知識
まずは、補助金について正しく理解しておきましょう。
補助金とは、政府が企業を支援するために支給するお金のことであり、主に経済産業省が管轄しています。また、補助金の種類によっては、政府ではなく地方自治体が主体となっているケースも存在します。
補助金は企業の事業拡大や設備投資など、あらゆる側面から企業活動を支援することを目的としています。そのため、自社の目的に合わせて最適な補助金を活用することで、効率的な資金調達が可能になります。
ただし、補助金には細かい支給条件が定められていることが多く、それらを満たしていないとお金を受け取ることはできません。そのため、補助金の活用を検討している場合は、自社が支給条件を満たしているのか?を事前にチェックしておきましょう。
なお、補助金と似ている言葉として「助成金」が挙げられます。補助金と助成金は同意義の言葉として捉えられることが多いですが、実際にはいくつかの違いがあります。
以下の記事で補助金と助成金の違いを解説していますので、関心のある方はぜひご覧ください。
事業承継・引継ぎ補助金とは?
事業承継・引継ぎ補助金とは、事業者が事業承継や事業統合による新しい活動を行うために、政府がその費用を一部補助する制度であり、日本経済の活性化を目的とした補助金となっています。
同制度は主に中小企業や小規模事業者を対象としており、一定の要件を満たすことで個人事業主も申請できる点が大きな特徴です。ただし、個人事業主が事業承継・引継ぎ補助金を申請するためには、青色確定申告を申請する必要があるため、この点には注意が必要です。
また、詳しくは後述しますが、事業承継・引継ぎ補助金は 3 つの類型に分かれており、補助金の利用用途や補助上限額は類型ごとに異なります。そのため、自社の状況に合わせて、最適なものを選択することが重要なポイントになります。
なお、事業承継・引継ぎ補助金の補助率は 3 分の 2 であり、最大 600 万円の補助金を受け取ることができます。経済的に困窮している企業にとっては、非常に魅力的な制度だと言えるでしょう。
補助金のメリットは以下の記事で詳しく解説しています。
事業承継・引継ぎ補助金の類型
事業承継・引継ぎ補助金には、次の 3 つの類型が存在します。
・経営革新事業
・専門家活用事業
・廃業・再チャレンジ事業
類型ごとに対象者の条件や補助上限額が異なるため、それぞれの違いを正しく理解しておきましょう。
経営革新事業
経営革新事業は、事業承継や事業統合などを行うことにより、新たな設備投資や販路開拓に取り組むような人が対象となります。補助上限額は 600 万円ですが、補助率は補助金の金額によって異なり、 400 万円以下は 3 分の 2 、 400 万円を超える場合は 2 分の 1 と定められています。
また、経営革新事業はさらに 3 つの型に分類されています。
・創業支援型(Ⅰ類)
・経営者交代型(Ⅱ類)
・M&A型(Ⅲ類)
創業支援型は創業によって継承した経営資源を利用し、経営革新などに取り組む事業者を対象にしており、経営者交代型は事業承継を契機として経営革新などに取り組む事業者が対象です。そして、 M&A 型は事業再編および事業統合によって経営革新に取り組む事業者を対象としています。
このように、経営革新事業の中でも細かい分類が存在するため、自社の状況を踏まえて最適なものを選択するように意識してください。
専門家活用事業
専門家活用事業は、M&A に伴って発生する費用の補助を目的としており、 M&A によって経営資源の承継を進めていたり、これから M&A で事業を売却しようとしていたりする事業者が対象となっています。
そのため、専門家活用事業には「買い手」と「売り手」の 2 つの型が存在します。
・買い手支援型
・売り手支援型
買い手支援型は事業再編などに伴って経営資源の引継ぎを行う予定の補助対象者が「シナジーを活かした経営革新等」や「地域雇用や地域経済全体を牽引する事業」などを行う際に活用できます。また、売り手支援型は地域雇用を推進する事業を既に実施しており、かつ事業統合で第三者に事業を引き継いでも雇用促進・経済活性化の継続が見込まれる場合に利用可能となります。
なお、専門家活用事業の補助上限額は 600 万円であり、補助率は 3 分の 2 と定められています。補助金の用途としては、 FA や仲介業者への手数料、セカンドオピニオン費用などに充当できます。
廃業・再チャレンジ事業
廃業・再チャレンジ事業は、事業承継や事業再編成に伴い廃業する場合に、その経費の一部を補助することを目的としています。他の 2 つの類型と同様に、個人事業主の申請も認められています。
廃業・再チャレンジ事業の補助上限額は 150 万円であり、補助率は 3 分の 2 と定められています。補助金の用途としては、廃業支援費や在庫廃棄費、解体費などに充当できます。
そして、廃業・再チャレンジ事業は次の 2 つの型に分けられています。
・併用申請型
・再チャレンジ申請型
併用申請型は、経営革新事業や専門家活用事業と併用申請できる点が大きな特徴となっています。そのため、専門家活用事業の買い手支援型と併用すれば、譲り受けた事業の一部や既存事業を廃業する際に活用することができます。
また、再チャレンジ申請型は M&A などに着手したものの失敗した事業者が、地域の新たな雇用創出や経済活性化に挑戦するために既存事業を廃業する場合に利用可能です。なお、ここで言う「着手」とは、 M&Aの支援機関などに登録したことを意味しており、自身で M&A に着手した場合は対象外となります。
事業承継・引継ぎ補助金を申請する際の注意点
最後に、事業承継・引継ぎ補助金を申請する際の注意点をご紹介します。それは、事業承継・引継ぎ補助金には「加点ポイント」が設定されていることです。
加点ポイントは、一定の条件を満たすことで補助金申請が通りやすくなるという制度です。そのため、自社の補助金申請を有利に進めるためにも、この加点ポイントを注意深く確認することが大切です。
例えば、経営革新事業における加点ポイントは次の 7 つです。
1.「中小企業の会計に関する基本要領」又は「中小企業の会計に関する指針」の適用を受けていること
2. 交付申請時に有効な期間における経営力向上計画の認定、経営革新計画の承認又は先端設備等 導入計画の認定書を受けていること
3. 交付申請時に地域おこし協力隊として地方公共団体から委嘱を受けており、かつ承継者が行う経営 革新等に係る取組の実施地が当該地域(市区町村)であること
4. Ⅰ型の申請にあたって、認定市区町村による特定創業支援等事業の支援を受けていること
5. Ⅰ・Ⅲ型の申請にあたって、第三者により補助対象事業となる事業承継の形態に係るPMI 計画書 42 (100 日プラン等)が作成されていること
6. 地域未来牽引企業であること
7. 新型コロナウイルス感染症拡大以後(2020年1月以降)に承継をしていること。(補助対象期間中の 承継も含む)
このように、類型ごとに具体的な加点ポイントが設定されているため、確実に内容をチェックするように意識してください。
まとめ
本記事では、事業承継・引継ぎ補助金の概要や類型、申請時の注意点などを一挙にご説明しました。
事業承継・引継ぎ補助金はとても魅力的な制度であり、うまく活用することで効率的に資金調達を行うことができます。この記事を読み返して、重要なポイントを理解しておきましょう。
ただし、事業承継・引継ぎ補助金には様々な類型が存在しており、類型ごとに要件や補助金額などが異なります。そのため、各類型の特徴を正しく把握して、自社に最適なものを選択することが大切です。
もし、自社だけで補助金申請を進めるのが不安な場合は、専門家への依頼も有効な選択肢になります。書類作成や申請手続きをスムーズに進められることはもちろん、困った時に相談することも可能です。
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大谷聡税理士事務所の代表を務めている大谷聡は、
・中小企業診断士
・行政書士
・税理士
・社会保険労務士
のすべての資格を有しています。そのため、正式な認定支援機関として、補助金・助成金のどちらも全面的にサポートすることが可能です。
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