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役員貸付金とは?銀行融資に及ぼす影響や解消するための方法まで徹底解説!

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企業が資金を調達するための方法は多岐にわたりますが、代表的なものとしては銀行融資が挙げられます。しかし、役員貸付金がある場合、銀行融資に悪影響を及ぼすことをご存知でしょうか?

 

本記事では、役員貸付金の基礎知識を解説しつつ、役員貸付金が銀行融資に及ぼす影響や解消するための方法についてもご紹介します。銀行融資を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

また、公式ラインをご登録いただいた方に無料相談をプレゼントしております。記事をご参考いただき不明点がありましたら、ぜひご相談ください。

 

 

 

 

役員貸付金とは?

 

まずは、役員貸付金の概要について理解しておきましょう。

 

役員貸付金とは、会社が役員に対して貸し付けた金銭のことを指します。これは、会計上「貸付金」として計上され、会社が役員に資金を提供した状態を表しています。

 

例えば、役員が個人的な事情で資金を必要とした際に、会社が貸付を行うケースなどが役員貸付金に該当します。その他にも、会計処理上の都合や役員の給与の調整として、形式上の貸付金が発生することもあり、このような場合も役員貸付金の一種として扱われます。

 

詳しくは後述しますが、役員貸付金は金融機関からの信用低下や法人税の負担増加など、企業にとって様々な悪影響を及ぼします。さらに、株式会社の場合は株主から疑念を持たれるリスクもあるため、役員貸付金は極力避けるべきものだと言えるでしょう。

 

 

役員貸付金の発生原因

 

役員貸付金が発生する理由は多岐にわたりますが、ここでは代表的なものを 3 つご紹介します。どのような背景で役員貸付金が発生するのか、具体的な内容を理解しておきましょう。

 

 

役員の個人的な資金補填を行う場合

 

役員貸付金が発生する代表的なケースとして、役員の個人的な資金補填を行う場合が該当します。例えば、役員が住宅購入や教育費、急な医療費などの個人的な理由で多額の現金を必要とする場合、会社がその不足分を一時的に貸し付けることがありますが、これらの金銭が役員貸付金として会社の帳簿に記載されます。

 

そして、仮に返済が長期間滞る場合には、税務署から「役員報酬の一部」と見なされ、課税リスクが生じる可能性があります。そのため、役員貸付金で資金補填を行う際は、事前に明確な返済計画を立てることが重要なポイントになります。

 

 

経費にできない支出を会社が支払う場合

 

経費として認められない支出を会社が支払う場合も、役員貸付金として処理されることがあります。これは、本来会社が支払うべきではない費用を会社が一時的に負担した場合、その金銭は役員に対する貸付金として計上されるためです。

 

例えば、役員の個人的な旅行費や贅沢品の購入代金などが役員貸付金の具体例として挙げられます。このような状況を防ぐためには、会社の支出基準を明確に定めることや、経費の使用目的を徹底的に確認することが大切です。

 

 

支払い先が不明な支出がある場合

 

支払い先が不明な支出が発生した際に、仮処理として役員貸付金に計上されるケースもあります。例えば、帳簿上では支出として記録されているものの、支払い先が不明確な場合、その金額が役員が個人的に利用したものと見なされ、役員貸付金として一時的に処理されるケースなどが該当します。

 

このような場面では、会社の経理処理が適切でないと税務リスクや監査リスクなどを招く可能性が高まります。そのため、支払いの目的や受取人を明確化し、不明な支出が発生しないような管理体制を整えることが役員貸付金の発生を防ぐための有効な対策になります。

 

それでは、会社が銀行融資を受ける場合に役員貸付金はどのような影響を与えるのでしょうか?次章以降で詳しく解説します。

 

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役員貸付金が銀行融資に及ぼす影響

 

結論からお伝えすると、役員貸付金は銀行融資においてマイナスの影響を及ぼします。具体的にどのような影響があるのか、詳しい内容を理解しておきましょう。

 

 

信用力の低下

 

役員貸付金がある場合、銀行はその企業の財務状況を厳しく評価する傾向があります。これは、役員貸付金は通常の運転資金や投資目的とは異なり、役員への貸付として認識されるためです。その結果、銀行は「この企業は適切に資金を運用していないのでは?」と疑念を抱き、自社の信用力が低下して融資審査が不利になるリスクがあります。

 

 

財務健全性への影響

 

役員貸付金は、バランスシート上では「貸付金」として計上されることが一般的です。しかし、返済能力や返済計画が不明瞭な場合、銀行はこれを「回収リスクが高い資産」として捉えることがあります。特に、企業が融資を受けたいタイミングで役員貸付金が膨らんでいると、財務健全性に対する疑念が強まり、融資条件が厳しくなる可能性があります。

 

 

資金用途への不信感

 

銀行は融資の際、企業がどのように資金を運用しているかを重視します。役員貸付金があると、「会社の利益が経営陣個人のために使われている」と見なされることがあり、資金用途に対する不信感が高まります。この場合、銀行は「融資した資金が適切に使われるのか?」という懸念を抱き、融資をためらう原因となるでしょう。

 

このように、役員貸付金は銀行融資における様々なシーンで悪影響を及ぼします。次章で役員貸付金の解消方法をご紹介しますので、現在貸付を行っている場合は早めに解消することをオススメします。

 

 

役員貸付金を解消するための方法

 

ここまで、役員貸付金について詳しく解説してきましたが、具体的にどのような方法で役員貸付金を解消できるのでしょうか?本章では、役員貸付金を解消するための代表的な方法を 3 つご紹介します。

 

 

役員の自己資金で貸付金を返済する

 

役員貸付金を解消するための最もシンプルな方法が、役員が自身の資金で貸付金を返済することです。会社から借りた資金を役員個人の貯蓄や収入で返済するため、特別な手続きや帳簿操作は不要になります。

 

また、この方法のメリットとして、税務リスクが少なく、会社と役員の関係をクリアにできる点が挙げられます。ただし、役員側の資金が十分に確保できている必要があるため、この点には注意が必要です。

 

 

役員報酬・役員賞与で貸付金を相殺する

 

自己資金からの返済が難しい場合は、役員が受け取る報酬や賞与を貸付金の返済に充てる方法もあります。具体的には、会社の帳簿上で役員報酬や賞与額を支払い済みの貸付金と相殺する形で処理を行います。

 

この方法は、役員報酬が定期的に支払われている場合に適用しやすく、役員の手元資金に影響を与えずに貸付金を消せる点が大きな特徴です。ただし、報酬や賞与が税務上適切な水準であることを確認する必要があるほか、役員報酬や役員賞与は「給与」に該当するため、社会保険料や税金が課せられる点にも注意が必要です。

 

 

役員退職金で貸付金を相殺する

 

役員退職金とは、役員が会社を退職する際に受け取るお金のことであり、この役員退職金を貸付金の返済に充てる方法も存在します。退職金を計算し、その金額の一部または全額を貸付金に充当することで、帳簿上の貸付金を削減できます。

 

退職金には税制上の優遇措置が設けられているため、税負担を軽減できる可能性がある点がこの方法のメリットです。ただし、退職金の金額設定が不当に高いと判断された場合、税務署から否認されるリスクがあるため、公正な評価が求められます。

 

また、前述したもの以外にも、自己株式の取得対価で貸付金を相殺したり、貸し倒れ処理を行ったりするなど、役員貸付金の解消方法は多岐にわたります。以下の記事で詳しく解説していますので、関心のある方はぜひご覧ください。

 

 

 

役員貸付金に関する Q&A

 

最後に、役員貸付金に関するよくある質問を Q&A 形式でご紹介します。

 

 

Q. 役員貸付金の勘定科目は何になりますか?

 

A. 役員貸付金は、貸借対照表(バランスシート)の「流動資産」または「固定資産」の一部として計上される貸付金勘定科目に分類されます。具体的には、返済期間が 1 年以内の場合は短期貸付金、 1 年以上の場合は長期貸付金として処理されます。この科目は、役員に貸し付けた金額を明確に記録するために使用されるため、適切かつ正確な管理が求められます。

 

 

Q. 役員貸付金の適正金利はどの程度ですか?

 

A. 役員貸付金の金利については、税法上の適正な範囲内で設定する必要があります。日本では、税務上の基準として「国税庁が公表する特例基準割合」が用いられますが、この金利を下回る場合、役員に対して低利貸付の経済的利益が発生するとみなされ、その分が課税対象となる可能性があります。そのため、役員貸付金の金利を設定する際には、このような税務上のリスクを考慮しながら検討することが大切です。

 

 

Q. 役員貸付金に利息を設定しない場合はどうなりますか?

 

A. 役員貸付金に利息を設定しない場合、税務リスクが発生します。税務当局は、利息がない貸付を「役員への利益供与」と判断する可能性があり、その分を給与として扱うことがあります。その結果、役員側で追加の所得税が課され、会社側でも追加の法人税負担が生じるなど、追加徴税が発生するリスクがあるため、役員貸付金には適正な利息を設定し、運用の透明性を図ることが求められます。

 

 

まとめ

 

本記事では、役員貸付金の基礎知識を解説しつつ、役員貸付金が銀行融資に及ぼす影響や解消するための方法についてもご紹介しました。

 

原則として、役員貸付金は銀行融資においてマイナスの影響を与えるものです。そのため、銀行融資を検討している場合は、可能な限り避けるべきだと言えるでしょう。

 

仮に役員貸付金を利用している場合は、自己資金や役員報酬、役員賞与、役員退職金などを使って早めに返済することをオススメします。役員貸付金を解消することで、銀行からの評価が高まり、銀行融資を受けやすくなります。

 

もし、自分ひとりで判断できない場合は、専門家への相談も有効な選択肢の一つになります。プロの目線から助言を受けることができ、スムーズに手続きを進められることはもちろん、困った時に相談を行うことも可能です。

 

そして、資金調達に関してお悩みであれば、ぜひ大谷聡税理士事務所へご相談ください。代表の大谷は 30 年以上銀行員として勤めていた経験があり、中小企業診断士の資格も保有しているため、企業様の融資や資金繰り改善に関して強みを持っています。

 

これまで培ってきた豊富な知識・経験をもとにして、貴社に最適な方法をアドバイスさせていただきます。無料相談もお受けしていますので、まずは以下のフォームからお気軽にご連絡ください。

 

この記事が、あなたのお悩み解決に少しでもお役に立てば、と切に願っております。

 

 

 

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この記事を書いた人

大谷 聡

埼玉県川口市に拠点を構える大谷聡税理士事務所の代表。元大手銀行出身の税理士であり、中小企業診断士、社会保険労務士・行政書士・不動産鑑定士・宅建士、証券アナリストなど多数の資格を保持。 融資相談から相続相談まで、税務のことだけでなく、経営者の真のパートナーとして、総合的なサポートをすることがモットー。

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