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見直しも行われている! 「相続時精算課税制度」と「暦年贈与」の違いとは

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「生前贈与」と呼ばれる制度が、日本にはあります。

 

ここではこの「相続時精算課税制度」を取り上げて、

 

・そもそも相続時精算課税制度とは何か

・「暦年贈与」との違い

・相続時精算課税制度のメリットとデメリット

 

について解説していきます。

 

 

2500万円までは贈与税がかからない! 相続時精算課税制度とは

 

「相続時精算課税制度」は、生前贈与の形式のうちのひとつです。

 

これは、「60歳以上の祖父母もしくは父母が、18歳以上の孫もしくは子どもに対して行える生前贈与」です。ちなみに2022年より前は成人年齢が20歳とされていたので、受け取る側の年齢は「20歳以上」とされていました。2022年の民法改正により、2023年の現在は「18歳以上ならば受け取れる」というかたちに変更されました。

 

日本の制度では、財産を贈与するときには「贈与税」がかかります。この贈与税は、対象者や贈与する額によって異なりますが、最大で55パーセントもの税率が設定されています。

 

しかし相続時精算課税制度の制度を利用すれば、一定額の贈与まではこの贈与税が発生しなくなります。

 

相続時精算課税制度を利用した場合、贈与額が2500万円以下ならば、贈与税がかかりません。そのうえ、この制度は、上限額に達するまで何回でも利用できます。

 

また、近年になってこの相続時精算課税制度の見直しも行われ、2500万円までの贈与に加えて、年間110万円までの贈与ならばこれにも贈与税がかからなくなりました。なおこの「年間110万円の控除」に関しては、特に「基礎控除」と呼ばれます。

 

 

この相続時精算課税制度を利用すれば、直系卑属に対して、贈与税を払うことなく(あるいは贈与税の支払額を抑えて)財産を渡すことができます。そのため、「早い段階で子どもや孫に財産を渡したい」と考える人にとっては、相続時精算課税制度は非常に使い勝手の良い制度だといえるでしょう。

 

 

 

「暦年贈与」の場合は、毎年110万円を非課税で渡せる

 

上記では「相続時精算課税制度」について取り上げましたが、相続時精算課税制度と非常によく対比して語られるものとして「暦年贈与」があります。

 

この「暦年贈与」もまた、相続時精算課税制度同様、生前贈与の一種に分類されるものです。

 

暦年贈与の場合は、「年間110万円までの財産を、贈与税がかからないかたちで人に渡せる」という特徴があります。

 

相続時精算課税制度と暦年贈与のもっとも大きな違いは、「暦年贈与の場合は、相続時精算課税制度とは異なり、渡す金額に上限額が設けられていない」という点があります。

 

相続時精算課税制度の場合は2500万円+年間110万円を超えた場合は贈与税が発生しますが、暦年贈与の場合は「毎年110万円ずつ、40年間にわたって財産を渡し続けた」という場合でも、贈与税は発生しません。

 

ただ、これだけを見ると、「それでは、相続時精算課税制度を選んで2500万円+110万円×40年=6900万円を渡した方が得なのでは?」と思えるかもしれません。

 

しかしすでに述べた通り、相続時精算課税制度の場合は「財産を渡す側の年齢が60歳以上でなければならない」という制限があります。日本の平均寿命は約84歳ですから、単純計算で「相続時精算課税制度を利用して2500万円までをまず渡し、さらに60歳から84歳までの24年間、毎年110万円ずつ財産を渡し続ける」とした場合、贈与税がかからない範囲で渡せる金額の合計額は5140万円となります。

 

一方、暦年贈与の場合は、「渡し始めるときの年齢制限」がありません。渡す側が60歳に達しない段階で渡し始めることも可能です。また、受け取る側の年齢にも決まりがありません。そのため、「30歳で子どもが生まれたので、子どもに対して毎年110万円ずつ渡す」ということも可能です。この場合、84歳の平均寿命までに、110万円×54年間=5950万円を贈与税の支払いなしで渡すことができます。

「年齢による制限」だけでなく、「関係性による制限」もありません。

 

 

相続時精算課税制度の場合は直系尊属―直系卑属の間でしか利用することができませんが、暦年贈与ならばまったくの他人同士であっても利用することができます。たとえば、「自分には子どもがいないが、自分の子ども同然に可愛がってきた姪がいるので、その姪に生前贈与をしたい」というときにも暦年贈与は利用できますし、「友人に渡したい」「結婚こそしていないが、長く連れ添っているパートナーがいるのでその人に渡したい」というような場合も利用可能です。

 

さらに、申告の要不要も異なります。詳しくは後述しますが、202310月現在においては、相続時精算課税制度の場合は1年間で渡す財産が110万円以下の場合でも申告が必要です。対して暦年贈与の場合は、この範囲内に収まるのであれば申告は不要です。

 

 

相続時精算課税制度を利用して譲った財産に関しては、相続時において相続税の対象とされるのに対して、暦年贈与で譲った財産は相続税の対象外となります。ただし暦年贈与を利用した場合であっても、相続をしてから3年以内に渡す側が亡くなった場合は、相続税の算出の対象となります(※2024年の1月以降は「7年以内」に切り替えられます)。 

 

 

相続時精算課税制度も暦年贈与も、どちらも「一定額以下ならば、贈与税の負担を被ることなく、生前に人に対して財産を渡すことができる制度である」という点では共通しています。

 

 

しかし

・渡す側と受け取る側の年齢や立場

・渡せる金額の計算式

・申告が必要かどうか

・相続税の対象となるかどうか

が異なります。

 

 

どちらが良い・悪いと言い切れるものではありませんから、下記の「相続時精算課税制度のメリットとデメリット」を確認しながら、「自分たちに適している贈与の方法」を見極めていくとよいでしょう。

 

 

 

相続時精算課税制度のメリットとデメリット

 

ここまで、「相続時精算課税制度とは何か」「相続時精算課税制度と暦年贈与の違い」について解説してきました。上でも少し触れてきましたが、ここからはより具体的に、「相続時精算課税制度のメリットとデメリット」について解説していきます。

 

 

【相続時精算課税制度のメリット】

 

相続時精算課税制度のメリットは以下の通りです。

 

・贈与税が軽減できる

・まとまった金額を一度に渡せる

・値上がりしそうな財産がある場合でも、贈与時の金額で計算される

 

ひとつずつ解説していきます。

 

 

・贈与税が軽減できる

 

相続時精算課税制度を利用することで、2500万円+1年間に110万円までの贈与に収まる範囲ならば贈与税がかかりません。

さらに、上限を超えた場合でも、かかる贈与税の税率は20パーセントにとどまります。

 

 

・まとまった金額を一度に渡せる

 

暦年贈与とは異なり、相続時精算課税制度の場合は「2500万円までを一度に渡す」ということが可能です。

つまり、「結婚のタイミングで」「進学費用として」などのような、お金を必要とする人生の節目などでまとまった金額を渡すことができます。

 

 

・値上がりしそうな財産がある場合でも、贈与時の金額で計算される

 

「将来的に値上がりが確実であろうと思われる土地」などの財産がある場合も、相続時精算課税制度は非常に利用価値の高い制度となりえます。

 

相続時精算課税制度は生前贈与の形式のうちのひとつですが、「このときに渡した財産は、(渡した人が死亡した)相続時において、相続税の対象となる」という性質を持っています。

 

ただその場合でも、相続税の対象となるのはあくまで「贈与したときの金額」です。たとえば「贈与したときには1000万円の価値であるとされていた土地だが、相続時には3000万円になっていた」という場合も、生前に贈与した1000万円で計算されます。

 

そのため、「将来的に値上がりするであろうと考えられる土地」などは、相続時精算課税制度を利用して譲っておくと、相続税を抑えることができます。

 

 

 

【相続時精算課税制度のデメリット】

 

このようにメリットの多い相続時精算課税制度ですが、これにはもちろんデメリットもあります。

 

・一度実施すると暦年贈与には切り替えられない

・申告に手間取る

・小規模宅地等の特例を受けられない

 

ひとつずつ解説していきます。

 

 

・一度実施すると暦年贈与には切り替えられない

 

相続時精算課税制度と暦年贈与は対比して語られることが多いものですが、相続時精算課税制度を利用した場合は、暦年贈与に切り替えることはできません。

 

「現在は、1年間に110万円までの贈与であるのなら、相続時精算課税制度を利用しても暦年贈与を利用しても贈与税はかからないから、一緒である」と考えてしまう人もいるかもしれません。

 

しかし上でも述べた通り、「相続時精算課税制度を利用して渡した財産は相続時において相続財産の対象とされるのに対して、暦年贈与を利用して渡した財産は相続財産の対象とされない」という違いがあります。

 

 

・申告に手間取る

 

年間で110万円以下の贈与の場合は、暦年贈与ならば申告を行う必要もありません。

 

しかし相続時精算課税制度の場合は、年間で110万円以下の贈与でも現段階では申告が必要です

 

もっともこの「相続時精算課税制度の場合は、110万円以下でも申告が必要」とする決まりは2023年の1231日までで、2024年の11日以降は相続時精算課税制度でも年間110万円以下の場合は申告が不要となります

 

 

・小規模宅地等の特例を受けられない

 

相続税を計算する際に利用できる可能性のある制度のうちのひとつとして、「小規模宅地等の特例」があります。これは、条件をクリアすることで土地の評価額を20パーセントにまで抑えることができる制度です。

 

しかしこの相続時精算課税制度を利用した場合は、これを利用することができなくなります。

 

 

まとめ 

 

「相続時精算課税制度」を上手く利用することで、生前の贈与を無駄なく行えるようになります。

 

ただこれらの制度は複雑なものであるため、利用する場合は税理士などの専門家に相談することをおススメしています。

そして、生前贈与に関するご相談を検討されている場合は、ぜひ大谷聡税理士事務所へご相談ください。これまで培ってきた豊富な知識・経験をもとにして、全力でサポートさせていただきます。

 

無料相談もお受けしていますので、まずは以下のフォームからお気軽にご連絡ください。この記事が、あなたのお悩み解決に少しでもお役に立てば、と切に願っております。

 

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この記事を書いた人

大谷 聡

埼玉県川口市に拠点を構える大谷聡税理士事務所の代表。元大手銀行出身の税理士であり、中小企業診断士、社会保険労務士・行政書士・不動産鑑定士・宅建士、証券アナリストなど多数の資格を保持。 融資相談から相続相談まで、税務のことだけでなく、経営者の真のパートナーとして、総合的なサポートをすることがモットー。

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