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介護に貢献した親族には請求権が認められる?特別寄与の考え方や計算方法まで徹底解説!

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被相続人の介護に貢献した親族について、相続時に優遇されるのが当然と考えている方もいると思います。このような考え方は「特別寄与」と呼ばれており、一定の条件を満たした場合は相続人以外の人が金銭を請求することができます。

 

本記事では、特別寄与の考え方や要件、実際の計算方法まで一挙にご紹介します。介護と相続の関係性について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

また、公式ラインをご登録いただいた方に無料相談をプレゼントしております。記事をご参考いただき不明点がありましたら、ぜひご相談ください。

 

 

相続人とは?

 

本題に入る前に、まずは相続人について正しく理解しておきましょう。

 

民法では「法定相続人」という言葉が存在し、被相続人の配偶者や子供など、生前に被相続人と近しい関係にあった親族が法定相続人として定義されています。そして、法定相続人には優先順位が存在しており、被相続人との関係によって優先度が変わります。

 

相続人の優先順位

 

このように、親族の中には法定相続人として認められない人も存在します。例えば、被相続人(亡くなった人)の子供の配偶者(上図で言えば、被相続人の長男の妻)が該当します。

 

つまり、妻の立場から見ると、自分は被相続人の親族であるにも関わらず、遺産を相続する権利を持っていないことになります。では、この妻が被相続人の介護に貢献していた場合はどうなるのでしょうか?

 

次章からは、介護に貢献していた親族が持つ権利についてご説明します。

 

相続人について詳しく知りたい方は以下の記事が参考になります。

 

 

 

介護に貢献した親族の金銭請求権とは?

 

民法では、介護に貢献した親族に対して「金銭請求権」を認めています。これにより、法定相続人以外の親族が介護への貢献を理由に金銭を請求することができ、この権利によって取得する金銭を「特別寄与」と呼びます。

 

従来、寄与分が認められるのは法定相続人のみでしたが、平成 30 年の民法改正により、寄与分の対象となる親族の範囲が拡大し、現在は被相続人の子供の配偶者にも権利が認められるようになりました。

 

被相続人に対して献身的な介護をした場合、特別寄与の請求権を行使できるのは一定範囲の親族に限られます。

 

特別寄与が認められる親族

 

そのため、親族以外の第三者がいくら介護で貢献しても特別寄与の対象にはならないので、この点には注意が必要です。また、内縁の配偶者の場合、法律上は親族として扱われないため、同様に介護への貢献を理由とした金銭請求を行うことはできません。

 

なお、介護に貢献した親族は金銭請求権を行使することはできますが、正式な法定相続人ではないため、遺産分割協議に参加して自身の意見を主張する権利はありません。この点もあわせて覚えておきましょう。

 

寄与分について詳しく知りたい方は以下の記事が参考になります。

 

 

遺産分割協議について詳しく知りたい方は以下の記事が参考になります。

 

 

 

特別寄与の計算方法

 

特別寄与の計算に明確なルールはなく、当事者同士の話し合いで金額が決まることが一般的です。なお、協議が進展しない時は家庭裁判所に依頼して金額を決定してもらうことも可能です。

 

家庭裁判所に依頼する場合は、

 

・寄与の時期

・寄与の方法

・介護の貢献度

・相続財産の金額

・その他の事情

 

など、様々な要素を考慮して、特別寄与の金額が決定されます。

 

大枠のイメージとしては「仮に第三者に療養介護を依頼した場合はどの程度の金銭が必要になったか?」という観点で算出されることが多く、その場合の計算式は以下の通りです。

 

裁判所による特別寄与の計算例

 

このように、家庭裁判所に依頼した場合は第三者へ療養介護を依頼した場合の日当額や介護日数、裁量割合などを加味して特別寄与の金額を決めることが一般的です。

 

なお、裁量割合とは有資格者などの専門家に依頼するよりも費用を低めに算出するためのものであり、多くのケースでは 50 〜 80 % 程度を乗じて特別寄与を減額します。

 

例えば、

 

日当額: 6,000 円

療養介護日数: 300 日

裁量割合: 70 %

 

と仮定した場合は、

 

6,000 円 × 300 日 × 0.7 = 1,260,000 円

 

となり、計 126 万円の特別寄与を受け取れる計算になります。

 

ただし、家庭裁判所へ依頼する場合は介護の日数や時間、頻度などを客観的に立証する必要があります。また、介護に伴う出費の領収書を求められるケースもあるため、日常的に介護記録を保管しておくことが重要なポイントになります。

 

 

まとめ

 

本記事では、特別寄与の考え方や要件、実際の計算方法まで一挙にご紹介しました。

 

近年の民法改正に伴い、法定相続人以外の親族に対しても特別寄与が認められるようになりました。被相続人の介護に多大な貢献をした場合は、その人に金銭請求を行使する権利が与えられます。

 

ただし、当事者間で金銭請求の成立可否や金額を決める必要があり、トラブルが発生する可能性もゼロとは言えません。また、家庭裁判所に依頼することも可能ですが、様々なものを用意しなければならず、大きな手間と長い時間を要します。

 

このように、介護に貢献した親族が金銭請求権を行使して特別寄与を受け取るのは容易なことではなく、すべてを自分ひとりで解決するのは困難であると言えます。そのような場合は、専門家に助言を求めることをオススメします。

 

そして、相続に関してお悩みであれば、ぜひ大谷聡税理士事務所へご相談ください。これまで培ってきた豊富な知識・経験をもとに対応させていただくのはもちろんのこと、損をしないための税金対策に関してもアドバイスさせていただきます。

 

無料相談もお受けしていますので、まずは以下のフォームからお気軽にご連絡ください。この記事が、あなたのお悩み解決に少しでもお役に立てば、と切に願っております。

 

 

 

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この記事を書いた人

大谷 聡

埼玉県川口市に拠点を構える大谷聡税理士事務所の代表。元大手銀行出身の税理士であり、中小企業診断士、社会保険労務士・行政書士・不動産鑑定士・宅建士、証券アナリストなど多数の資格を保持。 融資相談から相続相談まで、税務のことだけでなく、経営者の真のパートナーとして、総合的なサポートをすることがモットー。

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