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遺産分割協議書とは?未成年の特別代理人や遺産目録の作成方法まで徹底解説!
相続が発生した際は法定相続人同士で話し合いを行い、遺産分割の割合などを「遺産分割協議書」に書面としてまとめます。ただし、遺産分割協議書を作成する上では注意すべきポイントがいくつか存在します。
そこで本記事では、遺産分割協議書の概要に触れつつ、未成年の特別代理人や遺産目録の作成方法など、関連する内容について一挙にご紹介します。遺産分割について理解を深めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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遺産分割協議書とは?
遺産分割協議書とは、法定相続人同士の遺産分割協議の結果が記載された書面のことです。
相続が発生した際、相続人が 1 人のみであれば話はスムーズに進みますが、相続人が複数いる場合は当事者間で協議の場を設ける必要があります。そして、相続人同士の話し合いにより遺産分割の割合などが決められ、その内容を遺産分割協議書に書面としてまとめます。
なお、遺産分割協議は遺言書が存在する場合は原則不要です。遺言書は法定相続よりも優先されるため、被相続人が生前に残した遺言書があれば、その内容に従って遺産が分配されます。
その一方で、遺言書が存在しない場合は遺産分割協議が行われることになります。相続財産を誰にどのような割合で分配するのか?を話し合い、その結果を遺産分割協議書に書き記します。
このように、遺産分割協議書は遺産相続の内容について相続人全員の合意を前提として作成されるため、相続を進める上での重要な証明になります。
遺言書について詳しく知りたい方は以下の記事が参考になります。
未成年の相続人がいる場合の特別代理人
被相続人に子供がいる場合、未成年者が相続人になるケースも考えられます。未成年者でも相続を受けることは可能ですが、その場合は未成年者に対して「代理人」を立てる必要があります。
代理人は未成年者の親が務めることが一般的ですが、親と未成年者(子)がともに相続人となっており、相続人全員で遺産分割協議が行われる場合などは、親が未成年者(子)の代理人になることは認められていません。
これは、親と未成年者(子)が利益相反関係(ある行為が一方の利益になると同時に他方にとっては不利益になる関係)となっているためです。
このようなケースでは、未成年者の代わりとなる「特別代理人」の選任を家庭裁判所に申し立てる必要があります。ただし、未成年者でも既婚者は成人として見なされるため、この点には注意が必要です。
また、相続人の中に未成年が存在するケース以外に、成年被後見人と成年後見人がともに相続人になる場合も利益相反関係が成立するため、特別代理人が必要になります。
成年後見人とは、判断能力のない本人に代わって財産管理などを行う代理人のことであり、家庭裁判所によって選任されます。そして、成年後見人の支援を受けている本人を成年被後見人と呼びます。
成年後見人がいる場合は本人の法律行為を成年後見人がすべて代理で行うため、仮に父が死亡して、母と子供(母の成年後見人)が相続人になる場合、母と子供の利害が形式的に対立するため、子供が単独で遺産分割協議を行うことは認められていません。
このようなケースでは、母の代理人として子供と遺産分割協議を行うための特別代理人を立てる必要があります。
ただし、成年後見監督人(成年後見人を監督する人)が選任されている場合は、成年後見監督人が遺産分割協議を行うため、別の人を特別代理人に選任する必要はありません。
相続人について詳しく知りたい方は以下の記事が参考になります。
遺産目録の作成方法
ここまで、遺産分割協議書について解説しましたが、協議を円滑に進めるためには「どのような遺産がどれくらいあるのか?」を明確化しておく必要があります。
そこで重要なポイントになるのが「遺産目録」という文書です。遺産目録とは、相続対象となる遺産について、その種類や金額などを一覧にまとめた書面のことです。
遺産目録の作成にあたり決まったルールは存在しませんが、いくつか理解しておくべきポイントがあるため、その点についてご説明します。
以下、東京地方裁判所の遺産目録のサンプル書式です。
※引用:東京地方裁判所の財産目録書式
このように、一般的な遺産目録では現金や不動産、その他資産など、遺産の種類によって項目を分けて記載することが一般的です。
重要なポイントとしては、相続財産の詳細について具体的に記載することです。
例えば、一口に不動産と言っても土地や建物など、その種類は多岐にわたります。また、動産の場合は貴金属や自動車など、不動産と同様に様々なものが存在します。
そのため、遺産の種類を正確に記載するとともに、不動産であれば所在地(地番)を明記したり、預金であれば預金口座の銀行や支店名、口座番号などを明記したりするなど、書類を見た人が確実に理解できるように作成することが大切です。
まとめ
本記事では、遺産分割協議書の概要に触れつつ、未成年の特別代理人や遺産目録の作成方法など、関連する内容について一挙にご紹介しました。
遺言書が存在しない場合は相続人同士の遺産分割協議によって遺産の分割を行いますが、口約束だけでは後々トラブルに発展する可能性があります。そのため、遺産分割協議書を作成し、相続人全員の合意を前提として書面化しておくことが重要です。
ただし、遺産分割協議書を作成する上では、未成年者が相続人に該当している場合は特別代理人が必要になったり、事前に遺産目録を用意しておく必要があったりするなど、考慮すべきポイントが多数存在します。
このように、遺産分割協議書の作成を自分ひとりで完結するのは困難であるため、状況に応じて専門家に助言を求めることも有効な手段になります。
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